東京大学文学部学士入学 合格者の声

いざ志望校に合格してみて、昴のありがたみを改めて痛感しています。大人になると、手放しで人に応援してもらう体験自体が貴重です。昴での学習で、その貴重な体験をする機会に恵まれました。

私が昴に通うことを決めたのは、社会人として移動の多い不規則な生活を送っている中で「合格ラインを超える」実力をつけるには、受験対策の方法論で試行錯誤する時間はないだろう、という認識からでした。限られた時間の中でアプローチを誤った場合、軌道修正に時間を取られることが致命的な判断ミスになるだろうと考え、適切な方法論を採用するため昴に指導を仰ぎました。

具体的な勉強法は以下の通りです。

1.フランス語

春学期から中島先生に基礎・構文・読解の3クラスに通い始めました。講座に出席できないことも多々あり、授業のペースをつかむのが大変でした。それでも中島先生の授業のおかげで「楽しく学ぶ」ことができました。中島先生は質問に行くたびに激励してくださり、学習のモチベーションを鼓舞してくださいました。「過去問の傾向からみて必要となる仏文和訳の訳文をまずは作れるようになる」ことを目指して、以下の取組をしました。

(1)欠席回数が多い中で講座受講する際の留意点:

・欠席時の講座資料を漏れなく集めておくこと

・中島先生ご推薦の文法書を使って文法をざっくり思い出すこと(または4月春期集中特別公開講座を受講すること)

・とはいえ自力での文法復習にはある程度で見切りをつけて授業素材の復習の中で詳細を思い出すこと

・フランス語対応の電子辞書を用意しておくこと

・先生方にお願いして欠席日の資料を別日に受領できるよう手配していただき、受領タイムラグを授業日から数日のレンジに収めながら自習する形式で、講座の進行にできるだけ合わせること、できる限り予習もすること

(2)基礎・読解の予習復習手順:

・単語を自力で電子辞書を使って調べる

・ノートに和訳を作る(本格的な仏文和訳をするのが初めてなので、試験本番の手書きに慣れておくため)

・レジュメで論点を確認し訳例と照合する

・目で文章を追いながら訳出を(書かずに)脳内で再現してみて、文章を通しで訳せるようになるまで繰り返す(手作業がない部分なので、これは移動時間などを利用)

・欠席時の確認テストを解いて先生に採点をお願いし、理解上の盲点を把握する

*中島先生ご推奨の手順として「文章音読」「授業で扱った単語で単語リストを作成し書いて覚える」「音声教材を使う」などの身体を使った総合的な基礎訓練法をご紹介いただいていましたが、時間的な制約で手が回りませんでした。

(3)構文の復習手順:

・例文の単語や成句を調べる(授業のノートがあればそれを読む)

・例文を見ながら中島先生ご推奨の和訳を(書かずに)脳内再現できるようにする

・欠席時の確認テストを解いて先生に採点をお願いし、理解上の盲点を把握する

(4)過去問について:

・初見の文章を大目に解きながら定着度を確認し、何を強化すべきか自己評価する

・講座で取扱いのなかった分の問題の解説を、オーダーメイドで中島先生にお願いする

*私の場合はずっと授業の進度から遅れていたので、まずは授業に追いつくことをめざし、追いついたところで初めて過去問を解きました。結果、「問題処理速度が足りない」ことに気づき、本番の試験時間内での完答を目指して以下の過程を加えました。

(5)単語・成句の強化:

・仏検対応の単語集(2冊)・成句集(1冊)を使い、例文が黙読で和訳できるように目で追う(書かない)

*直前期の年末年始のタイミングで3冊分を一巡させました。反復したかったですが、時間切れになってしまいました。

*手で書いて覚える作業もしたかったですが、時間がありませんでした。そのため、「スペリングがよく似た単語」の識別で最後まで苦労しました。

(6)試験本番でやったこと:

・分からない単語は接頭辞や接尾辞を分解して意味を推測する

・文意が取れなかったらそれらしき英語に置換してから和訳してみる

・前後関係から文意にあたりをつけておき、意味を直感で召喚する(最後の手段)

 

2.英語

元々得意科目ではありましたが、かといって準備不足になることも避けたかったため、高橋先生に適宜ご相談して、他教科との学習量バランスを最適化できるよう努めました。英語の学習にあたっては「大学受験後に学んだ翻訳の方法論をリセットする」「英文解釈の定石を思い出す」ということを心がけ、以下のことをしました。

(1)過去問を解く:

*過去問を入手し、全訳を作りました。出題される英文のレベルや分野、出典などを知るうえでは有効でした。一方で、訳例が手元になかったので、盲点のチェックなどが細かくできず、できれば訳例を入手して照らし合わせた方がよかったと思いました。

(2)『詳解 大学院への英語』(昴教育研究所 高橋勢史 著)を利用する:

*昴の講座には時間的に通えないものと悲観していたので、せめてもの自習教材を確保できたらと思い発売直後のタイミングで購入しました。

*本書の構成は、昴の「英語 構文講座」およそ15~20回分相当の構文解析問題40題、「英語 院試問題演習講座」およそ4回分相当の徹底演習編8題からなっています。本書を使いこなせた場合には、昴の単科授業料換算で11万円強~14万円相当、本書の定価(2400円)との比では48倍~58倍の価値を引き出せるものと思い、じっくり取り組みました。

*具体的な本書活用法は以下の通りです

・全訳をノートに作り、訳例と照合して英文解釈的な和訳の方法論を思い出す

・【多義語、文法項目、成句】を確認する

・ひっかかったところを目で確認して脳内で訳出を再現する

*多義語と成句の抽出は独学が難しい部分で、優れた指導者(高橋先生)に教わること、それによって多義語や成句の抽出・訳出の感覚を育てながら自分でもいわゆる「よい辞書」(有料のオンライン辞書や高スペックモデルの電子辞書)を使って単語をマメに引くことが有効であると思います。

(3)構文・読解・院試演習講座を受講する:

直前の冬期5回分だけ参加することができました。構文・読解は時間節約のためワードで予習の訳文を作成し講義をよく聴くようにし、演習は復習で教材を読み返すにとどめました。音読は手が回りませんでした。

演習講座は、①時間配分の練習になり②返却答案から英文和訳の加点減点の要所を認識し③自分が他教科にどれだけ直前期の時間をさけるか判断する根拠となり④本来ならば時間のかかる訳例と自分の訳文との照合作業について人の手を借りることで時短できる、という点で有用でした。

演習ではコンスタントに高得点を出せていましたが、却って復習の仕方が分からず、単語や成句や文法事項をさらに手当てしたほうがよいのか悩んでいました。高橋先生にご相談したところ「英語はこれ以上やらずに第二外国語を全力でやるように」という助言をいただき、思い切ってそちらに注力することができました。自分一人の学習ではそのような思い切った決断は不可能であったと思います。

 

3.小論文

以下の取組をしました。

・高橋先生の講義動画を視聴する

・昴の論述対策講座を利用する

・返却答案をワードでリライトする

・高橋先生が推奨されたり言及されたりした参考文献をできるだけ読む

*合格ラインを超えるようになってからも時間内に書ききるのに苦労していたので、直前期まで受講して処理速度の向上を図りました。

*高橋先生が作成してくださった想定問題は実際の過去問よりも難度が高く、論述での伸び悩みを感じることになりましたが、本番の問題を見たときに「想定問題を解いておいてよかった」と思いました。

*参考図書を読むことは、元々人文学分野を専攻していなかった自分にとって「人文学的な世界観」に触れる貴重な機会となりました。

*他教科とのバランスの中で「合格ライン超えを目指す」タイプの守りの学習になってしまいましたが、その配分を変更の上、高橋先生のご指導があれば、卓越した論文力をつけることも可能な講座であると感じました。

 

4.専門科目

以下の取組をしました。

・基本書を読む

・過去問を解いてワードで解答例を作成し適宜アップデートする

*専攻分野の先生方が書かれた基本書からキーワードを抜き出し、それらの論理関係や歴史など概略を理解し、専攻分野の世界観や共通認識を正確に構築するよう努めました。

 

5.面接試験

高橋先生との面談で、想定される質問や留意点などを洗い出していただきました。「厳しい質問をされるときは、面接官が受験者をある意味研究者として対等に見て接しているということ」という高橋先生のアドバイスのお蔭で、口述試験の質問に答えきることができました。

 

【最後に】

廣田先生、高橋先生、中島先生の的確かつあたたかなご指導と激励のお蔭で直前まであきらめずに勉強を続けることができました。なかなか学習のペースがつかめない中、繁忙期でも学習が進んでいなくても昴にできるだけ通うことで、学習の方向性を誤らずに済みました。受講生の個別の学習状況を的確に見極め寄り添ってくださった昴の先生方に感謝申し上げます。また、クラスメイトの皆さんにも大変助けていただきました。できるものなら楽しく学べる昴の授業にもっと出席したかったです。ありがとうございました!

※ 送られてきた原稿を一字一句変えず、そのまま掲載しています。
※ こちらもご参照ください。東大・学士編入合格者の他の合格体験記です。

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