東京大学大学院人文社会系研究科・合格体験記

 

昴・合格体験記

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私は、東京大学人文社会系研究科に合格した者です。昴にお世話になり始めたのは、8月の夏期講習からでした。それまでは、一人で勉強していました。私の場合、東京大学人文社会系の内部の情報を得る人脈が全くなかったので、情報収集から始めることにしました。人文社会系は過去5年分の過去問を販売しているので、それを購入し解いていました。しかし、①モチベーションが持たない、②過去問の答合わせが出来ない、という理由で昴に入塾することにしました。入塾してからは、昴の授業の予習・復習で試験内容への対策はカバーできると判断したため、独自の勉強はしていませんでした。

受験内容→一次試験:第二外国語(フランス語)、専門分野試験

二次試験:論文審査、口述試験

<フランス語> 学部時代の第二外国語が中国語だったことから、フランス語学習はほぼ素人の状態で始まりました。昴では10月から中島先生に教わっていました。フランス語を音声媒体で聞くのが初めてだったので、中島先生の講義を録音し、それを何度も聞いていました。あとは、ノートの左のページにフランス語、右のページに日本語を書いて、それを交互に隠して、日本語からフランス語、フランス語から日本語に翻訳する練習をひたすらしました。とにかく、時間があればフランス語の単語を暗記し、フランス語の歌の歌詞を翻訳したり、ブランド名を覚えたりしました。東大は第二外国語である程度の点数を取らないと、専門の採点すらしてもらえないということを聞いていたので、フランスと名のつくものはできるだけ吸収するようにしました。それでも、全然過去問の点数が上がらず、1月にはさらにスピードアップするために頭の中で考えていることを全てフランス語にしていました。かなりきつかったですが、10月~1月の4カ月間で、ここまで伸びることができるという自信がつきました。

<専門分野> 私の専門はとにかく問題を解く速さを要求されていたので、授業の院試演習でも、細かい訳語を気にせずに速く解く練習をしていました。但し、高橋先生の「翻訳マシンになってください」というアドバイスがなければあそこまで腹をくくれなかったと思います。試験でも、ペース配分を間違えて落ちた受験生が何人もいると思います。私の場合、一問にかけられる時間のリミットを決めて、その時間内に終わらなかったら次の問題に進むというルールで臨みました。フランス語もそうですが、採点者が見ているのは、全体的な文脈をきちんと解釈できているかという点です。したがって名詞や形容詞などの間違いは気にせずに、とにかく文の大きな構造だけは取り違えないようにしました。

<論文> 論文は高橋先生に見て頂きました。私は、すでに修士課程を終えており、その後事務の職員として一年間働きながら昴に通っていたので、修士論文を大幅に改訂する作業から始まりました。実際にとりかかり始めたのは11月の頭からだったので、正直不安もありましたが、なんとか終えることができました。英語で論文を書いたので、先生には内容と英語の両方を見て頂きました。全体的な流れは①論文を先生に提出、②先生からのフィードバック、③再提出、④先生からのフィードバックを繰り返すという形でした。高橋先生は、決して独りよがりに論文を構成せずに、「こんな資料ある?」、「何か思いついたらすぐ言ってね。」、「僕の考えたものと違ったものを取り入れてよいよ。」などと言ってくださり、私の意見をかなり取り入れてくださいました。辛抱強く付き合ってくださり、大変感謝しております。また、なぜこの部分を取り上げたのか、なぜこの論理構成にしたのか、なぜこの英語表現なのか、など理由をきちんと説明して下さるので、納得のいく形で進んでいけました。実際の口述試験でも、本当にその学生が自分で書いた論文かを問うような内容が多かったです。私の場合、高橋先生にきちんと理由を説明していただいていたので、ほとんどの場合沈黙することなく答えられました。

 

昴に本科生として入塾したのが10月からだったので、本当に試験までの4カ月間は怒涛のように過ぎて行きました。特に1月は精神的にかなりきつかったですが、高橋先生が授業の前後で声をかけて下さったり、メールで励まして下さったので、なんとか乗り切ることが出来ました。しかし、やはり4月から入塾しきちんと余裕を持ってやれば良かったなという気持ちが強いです。

終わりに・・・ 今、東大受験を悩んでいる方へ 私は、研究室訪問も大学院の授業の聴講もしていなかったのですが、今回受験してみて東大の人文社会系は先入観なしに受験生を平等に評価してくださるということがよく分かりました。内部生でも容赦なく落ちますし、外部生でもチャンスがあるということが分かりました。受験を迷っている方がいらっしゃるなら一度チャレンジなさることをお勧めします。そして、もし一人では一歩を踏み出せないという方がいらっしゃるなら是非、昴の門を叩いてみてください。その日から、やることが明確になり、もやもやした気持ちは吹っ飛ぶと思います。あとは、ご自分を信じてがんばってくださいね。

※送られてきた原稿を一字一句変えず、そのまま掲載しています。

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